| 過去ログ[15] |
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□講評
(起)捨てられし案山子に天の無限大 宇咲冬男
手向けのように咲く彼岸花 達三
人の波スクランブルに押し寄せて たま
ヒートテックで暖かき冬 達三
(承)雪止まぬ合掌造りに灯り見え たま
渡り杜氏の便り待つ女 木枯らし
長旅の疲れを溶かす熱き肌 影法師
忘れ小舟の揺るる川端 達三
早二年戦火の続くウクライナ たま
平和を叫ぶ喇叭水仙 影法師
(転)西行の死さえ夢みし春月夜 達三
風の電話は黄泉の国へと たま
修練と滝に打たれつ唱う経 影法師
養老の酒冷でぐびぐび たま
最終の発車のベルが鳴り響く たま
明日の朝には海見ゆる町 達三
(結)絵葉書に富士初雪と大花野 たま
<結>の2句目、挙句に次の5句が付きました。
1.秋風の行く日本列島 たま
2.鈴虫のすむ三畳の庭 たま
3.五湖の畔に揺るる稲の穂 達三
4.準備整う発明の秋 たま
5.豊作祝う村人の歌 影法師
どれも良い句ではありました。但し、1句目の日本は国名であり固有名詞です。前句に富士という固有名詞が出ているのでここは障ると思われます。2句目は前句の屋外から室内に入って虫の音を聞いていますが、挙句としては今一つパンチ不足かと思います。3句目の五湖は富士五湖の五湖かと思われますが、ちょっと近すぎた感があります。4句目は発想を変えて秋に発表されるノーベル賞を意識した付けと見ました。治定候補。5句目は明るく賑やかな豊作を祝う村の人々を詠んでいます。治定候補。
□治定
今回の発句が捨て案山子の句でした。場所は村です。その村に戻って村人に豊作を祝う歌を歌わせた影法師さんの句を治定し、一巻を満尾したいと思います。
□満尾
昨年の10月17日にスタートした順候式雪月花十八韻 「捨てられし案山子」の巻がほぼ1年で巻き上がりました。ここまでお付き合いいただきました皆様に厚くお礼を申し上げます。
順候式雪月花十八韻 「捨てられし案山子」の巻
(起)捨てられし案山子に天の無限大 宇咲冬男
手向けのように咲く彼岸花 達三
人の波スクランブルに押し寄せて たま
ヒートテックで暖かき冬 達三
(承)雪止まぬ合掌造りに灯り見え たま
渡り杜氏の便り待つ女 木枯らし
長旅の疲れを溶かす熱き肌 影法師
忘れ小舟の揺るる川端 達三
早二年戦火の続くウクライナ たま
平和を叫ぶ喇叭水仙 影法師
(転)西行の死さえ夢みし春月夜 達三
風の電話は黄泉の国へと たま
修練と滝に打たれつ唱う経 影法師
養老の酒冷でぐびぐび たま
最終の発車のベルが鳴り響く たま
明日の朝には海見ゆる町 達三
(結)絵葉書に富士初雪と大花野 たま
豊作祝う村人の歌 影法師
起首 令和5年10月17日
満尾 令和6年10月10日
於 ネット連句会
□講評と治定
(起)捨てられし案山子に天の無限大 宇咲冬男
手向けのように咲く彼岸花 達三
人の波スクランブルに押し寄せて たま
ヒートテックで暖かき冬 達三
(承)雪止まぬ合掌造りに灯り見え たま
渡り杜氏の便り待つ女 木枯らし
長旅の疲れを溶かす熱き肌 影法師
忘れ小舟の揺るる川端 達三
早二年戦火の続くウクライナ たま
平和を叫ぶ喇叭水仙 影法師
(転)西行の死さえ夢みし春月夜 達三
風の電話は黄泉の国へと たま
修練と滝に打たれつ唱う経 影法師
養老の酒冷でぐびぐび たま
最終の発車のベルが鳴り響く たま
明日の朝には海見ゆる町 達三
<結>1句目に月の6句が付きました。
1.砂浜の翡翠探しに花の波 たま
2.絵葉書をはみ出す花と雪の富士 たま
3.半島の岬に耐えし花大樹 影法師
4.千年の日々を重ねて花大樹 たま
5.花々に見惚れて歩く海の町 つばき
6.脚光の離島に届く花だより 達三
今回、私がお示しした付け句のヒントで季節のことに触れておりませんでした。大変失礼いたしました。この順候式雪月花十八韻では、順候ですので、発句が秋の場合には<承>が冬、<転>で春と夏を詠んで最後の<結>は秋に戻ります。従って、今回の<転>の花の句は秋の季語を含む句にすべきでした。このことを申し上げるのを失念しておりました。従って、今回の付け句の中で秋の季語がない句は付かないこととなります。その意味で3.4,5,6は秋の季語が含まれていませんので、句としては良いのですが、失格になります。また1.は翡翠が夏の季語ですのでこれも失格です。そして残った2.のみが「雪の富士」で秋めいた季語がついています。しかし秋の季語とするためには、「富士の初冠雪」「富士の初雪」「初雪富士」のような表現にしなけれななりません。そこでこの句を次のように一直させていただき、治定といたします。
絵葉書に富士初雪と大花野
□<結>2句目(挙句)のヒント
この2句目も前句と同様に秋の季語で短句を詠んでください。発句に戻るような句が良いと思います。
□次回の締切
次回がこの巻の最後(挙句)となりますが、10月8日(火)とさせていただきます。
順候式雪月花十八韻 「捨てられし案山子」の巻
(起)捨てられし案山子に天の無限大 宇咲冬男
手向けのように咲く彼岸花 達三
人の波スクランブルに押し寄せて たま
ヒートテックで暖かき冬 達三
(承)雪止まぬ合掌造りに灯り見え たま
渡り杜氏の便り待つ女 木枯らし
長旅の疲れを溶かす熱き肌 影法師
忘れ小舟の揺るる川端 達三
早二年戦火の続くウクライナ たま
平和を叫ぶ喇叭水仙 影法師
(転)西行の死さえ夢みし春月夜 達三
風の電話は黄泉の国へと たま
修練と滝に打たれつ唱う経 影法師
養老の酒冷でぐびぐび たま
最終の発車のベルが鳴り響く たま
明日の朝には海見ゆる町 達三
(結)絵葉書に富士初雪と大花野 たま
[8167へのレス] Re: <結>1句目の治定と挙句のヒント 投稿者:たま 投稿日:2024/09/18(Wed) 05:53秋風の行く日本列島
[8167へのレス] Re: <結>1句目の治定と挙句のヒント 投稿者:たま 投稿日:2024/09/23(Mon) 02:37鈴虫のすむ三畳の庭
[8167へのレス] Re: <結>1句目の治定と挙句のヒント 投稿者:達三 投稿日:2024/10/02(Wed) 08:38五湖の畔に揺るる稲の穂
[8167へのレス] Re: <結>1句目の治定と挙句のヒント 投稿者:たま 投稿日:2024/10/04(Fri) 11:09準備整う発明の秋
[8167へのレス] Re: <結>1句目の治定と挙句のヒント 投稿者:影法師 投稿日:2024/10/09(Wed) 21:09豊作祝う村人の歌